どうもたにもんです(*´ω`*)
市販のサボテンや多肉植物の土には【肥料】となる成分が含まれているものや、全く含まれていないものがあるけど、どっちがいいの?と疑問に思ったことはありませんか?
肥料は植物が根や葉を作ったり、免疫を強化する為に必要な成分になります。
ですが与えすぎると害虫を呼び寄せてしまったりするので、与え過ぎは禁物です。
今回は【肥料の必要性】【どんな肥料が必要なのか】【どんな与え方が良いのか】を皆さんにお伝えしようと思います。
大切な多肉の成長にお役立てください。
多肉植物に肥料は必要?
そもそも多肉植物やサボテンには肥料は必要なのか?
色んな管理をする方がいるので答えは千差万別です。
ですので個人的な見解になり、誰かの管理方法を否定するものではありませんのであしからず。
私は肥料を多肉植物やサボテンにも使用しています。
自然環境の中では、ポットや鉢に植えられた環境と違い、微生物や虫などによって外部から、土に栄養分が加えられたりといった変化が絶えず起こっています。
古くなって枯れた葉は虫によって分解され、土に戻り、文字通り有機肥料として再利用されます。
多肉植物などは鉢植えなどで植えられている場合、少量の土で管理します。少量の用土の肥料分がなくなっても外部から勝手に補充されることはありません。
自然環境を再現したくても、ポットの中でそれを完璧に再現するのは不可能です。
それに大きくしたり、交配させたり、病気に強い個体にしようとすると肥料を全くなしでは難しいと考えます。
肥料はドーピングではなくサプリのような存在
筋トレをしたことがある方ならイメージしやすいですが、筋トレをしていても食事が不十分だと筋肉は発達しません。
現代人の食事で栄養バランスを完璧に摂取するのはかなり大変です、そこでサプリメントを使います。
植物も同様に用土から吸収出来る栄養素に偏りがあるので、肥料を使って補います。
植物は水と光だけで自給自足する永久機関じゃないよ(´ε` )
栄養不足の弊害とは!?
人間も食生活や睡眠不足などで、風邪を引きやすくなったり、吹き出物が出たり体に不調をきたします。
植物も同じように、微量栄養素が不足すると光合成ができなくなり、葉焼けしやすくなったり病害虫に侵食される・ウイルスに感染しやすい個体になります。
インスタントラーメンばかり食べてて、長生き出来ないのと同じです。
ですが、与えすぎるのもまた問題です。
葉や根に蓄えた糖分が害虫を呼び寄せてしまい、害虫に食害されたりすることもあります。
肥料を与えると徒長しないの?
ここでよく耳にする「肥料のあげすぎは徒長するから与えない」という話についてです。
個人的にこの話にはあまり信憑性が無いと思っています。
その理由は…
- 固形肥料があっても十分な水分が無いと吸収できない
- あげすぎで徒長する前に肥料焼けの症状が出ると思われるから
- 肥料を与えていなくても徒長はする
確かに窒素が多いと徒長の要因にはなりますが、それよりも日照不足と土の水はけの悪さの方が影響力は大きいと考えます。
我が家の多肉もサボテンも肥料を使用していますが、特に徒長しているという事はありません。室内の日光も通風もない環境なら肥料が無くても徒長はします。
紫外線には植物の成長を抑制する因子を刺激する働きもあるので、十分な日照条件が整っていれば徒長は起こりづらいと思われます。
肥料と活力剤の違い知ってる?
それで結局肥料は何を与えるのがいいの?というお話の前に、知っておきたいのが肥料と活力剤の違いです(*´ω`*)
実は肥料の定義とは【肥料取締法】という法律によって決められています。
窒素・リン酸・カリをメインに販売されているものは【肥料】として店頭に並んでいます。
それ以外の植物に必要な微量栄養素(鉄・マンガン・ホウ素)を活力剤として販売しています。
※メネデール(鉄)やリキダス等は活力剤として販売されています。
どちらが優れているという事ではなく、目的に応じて使い分けるのが大切になってきます。
肥料の役割とその影響について
肥料に含まれる成分にはそれぞれ役割があり、植物の育生においてどのように作用されるのかが違います。
必要な成分が多い順に紹介していきます(*´ω`*)
3要素(多量要素)
植物を構成する「窒素」「リン酸」「カリ」のことを3要素と呼びます。どんな働きをするかは以下の通りです。植物に必要な栄養素の中で特に必要量の多いものです。
窒素(N) | 茎や葉の成長を促す 体を作るタンパク質を構成 細胞分裂に必要 不足すると根などの育生障害 不足すると茎が徒長し柔化する 不足すると葉が黄化する |
リン酸(P) | 根の成長を促し、発芽力増進 根や葉数を増やす |
カリ(K) | 根の成長を進める 開花・結実を促す 寒さの抵抗性を高める 病害虫の抵抗性を高める |
中量要素
3要素の次に必要量の多い中量要素で「カルシウム」「マグネシウム」「イオウ」のことです。特に土に含まれないカルシウムとマグネシウムは肥料として補ってやる必要があります。
カルシウム (石灰) | 根の成長 病気の抵抗性強化 葉緑素の生成 タンパク質の移動 有毒物質を無害化 不足すると成長点が枯れる原因に |
マグネシウム (苦土) | 代謝に関わる酵素の役割をする タンパク質、脂質の合成に必要 リン酸の吸収を助ける |
イオウ (硫黄) | タンパク質、葉緑素の合成に必要 不足すると古い葉が黄化する |
微量要素
必要量は少ないですが必須栄養素です。不足すると枯れはしないけど、成長に異変をきたします。多くの方はこの微量要素の重要性を忘れがちです。
微量要素の含まれた肥料もありますが、活力剤として販売されています。
鉄(Fe) | 葉緑素の生成・酸化還元反応に関与する |
マンガン(Mg) | 葉緑素の生成・光合成・ビタミンCの合成に関与する |
ホウ素(B) | 水分・炭水化物窒素代謝に関与。 |
亜鉛(Zn) | 葉緑素・成長促進物質の生成に役立つ |
モリブデン(Mo) | ビタミンCの合成に関与する |
銅(Cu) | 酸化還元に関与する銅酵素を組成する |
塩素(Cl) | 光合成に関与・体内のデンプンやセルロースを合成する |
主に活力剤に含まれていてるのがこの微量要素になります。メネデールは鉄を補う為の活力剤で、挿し木や播種などをした際に発根を促すのに使われたりします。
根の活性化をして、肥料成分を効率よく取り入れることで多肉植物の成長に繋がります。夏の暑さで弱った株のリカバリーにはオススメです。
多肉植物には活力剤のアンプルは不要
活力剤については前述したように、必要量は少ないものの植物の成長に欠かせない成分なのですが、【肥料取締法】があるので【肥料】として販売することが出来ないので仕方なく【活力剤】として売られているものもあるようです。
ラベルの裏側に、何が含まれているのか書かれていない活力剤のアンプルも見かけたりします。購入する際は上記のような微量栄養素の事を思い出してみてください。
緑や黄色に着色されただけの【自称・活力剤】を購入することがなくなります(笑)
アンプル状になっていて土にさして使用するタイプのものは多肉植物には必要ありません。
理由は土の中が常に湿った状態になってしまい根腐れの原因になるリスクが高いからです。
多肉植物に必要なのは化成肥料なワケ
植物に肥料を与える場合には、化学肥料と有機肥料がありますが、ここでは鉢植えなどで与える場合を考慮して化学肥料(無機質肥料)をオススメしています。
なぜかと言うと…
- 大量生産可能で安価である
- 状態が安定しているので管理しやすい
- 虫などの心配が少ない
- 保管量が少なく場所を取らない
- すぐに与えることが出来る
- 有機物肥料は与えると水はけが悪化
以上の理由から化成肥料が多肉植物の管理には適しています。
そもそも堆肥や牛糞や鶏糞のような有機肥料が、虫も微生物も定着しないような小さなポットのなかで、多肉植物に吸収される状態にしてくれるのか…まして乾燥したポットの中で微生物が適切に活動出来るのかは疑問です。
そんなことをしていると、ベランダで発生したコバエが家の中をブンブン飛び回ることになるので注意が必要です。
肥料の与え方は元肥と追肥
具体的に肥料を与えるとして、どうやって与えるのかを紹介します。
植え替えの際に土に粒上の化成肥料を混ぜ込む方法を元肥といい、元肥の効果が切れるくらいに追加で与えるのを追肥といいます。
追肥は元肥に使用した粒上のものを再度与える方法と、液体肥料を定期的に与える方法があります。
液体肥料の使い方と応用編
液体肥料を与える場合には水やりの際に、希釈液を作って与える必要があるので、頻繁に与えるのが面倒な方は緩効性化成肥料(ゆっくり効く肥料)を与えるのをおすすめします。
使い分けとしては液体肥料は個体の肥料に比べ、すぐに効果がほしいときなどに使用します。
ちょっと疲れたときに栄養ドリンクを飲むイメージで、常用するものではありません(´ε` )
最近は希釈しないですぐに与えられるタイプの液体肥料も登場しているので、お手軽さを優先させる方にはこういう商品がオススメです。
応用テクニック・葉面散布の方法
液体肥料や活力剤を与える方法で【葉面散布】という方法があります。希釈して濃度を薄くした液体肥料を霧吹きで葉にかける方法です。植物は根からだけ水分を吸収出来るわけではなく、葉の表面からも水分などを吸収します。
根から吸収するよりも効果が高いので希釈濃度が高いと肥料やけしてしまいます。そして日中に与えると葉についた水分がすぐに蒸発して、肥料濃度が高くなって肥料やけをおこしてしまいます。なので葉面散布する場合は日没後か早朝などにしましょう。
根が弱っている時、高温多湿で鉢の中の湿度をあげたくない場合に栄養補給に使える有効な手法です。
肥料の過剰摂取の危険性について
肥料成分はそれぞれが違った働きをします。少ないよりは多いほうが良いといったものではありませんし、与え過ぎは成長を促進するどころか、根を痛めてしまいます。商品の推奨する適量を守りましょう。
また市販されている用土のなかには、予め肥料成分が含まれているものもあります。元々の用土に肥料が含まれているのに肥料を追加するのは肥料焼けの原因になるので控えましょう。
肥効の良い環境の土作り
植物が肥料分を吸収するのにベストなコンディションを発揮できる環境は、弱酸性の土で有ることが分かっています。酸性に傾くと肥料成分の吸収が悪くなります。
弱酸性?(´ε` )ヨクワカラナイ
pH(ペーハー)と呼ばれる土の酸度を表す指標で、弱酸性の土がほとんどの植物に適しているとされています。日本の雨は酸性に傾いているので、野外で長期間雨ざらしにしていると、土が酸性になってしまいます。畑に石灰をまくのは、この酸をアルカリで中和して弱酸性に近づけるためです(´ε` )
雨ざらしで管理しているし、栄養状態が良くないかもと不安になったら、カルシウム肥料で中和する方法もあります。
カルシウムはアルカリですので酸を中和します。中量要素としては【細胞膜を強化して、病害虫に対する働きを強化】という役割をします。
※与えすぎるとアルカリ性に偏り微量栄養素が吸収されにくくなりますのでご注意ください(*´ω`*)
ヨクワカラナクナッテキタ(´ε` )
そんな方は何も考えずに、pH調整済みの緩効性肥料配合の用土を使うのが良いと思います。どんなものがあるのかは別記事で詳しくレビューしているので参考にしてください(*´ω`*)
肥料が効きやすい時期は夏
合わせて知っておきたいのは、肥料がよく効く時期です。
気温が高く湿度が高いと肥料は溶け出します。逆に気温が低く湿度が低いと肥料は溶け出しにくくなります。
なので夏場に効果を抑えたい時などは、土の中に混ぜ込まず、土の表面にバラまくような施肥を行いましょう(*´ω`*)
冬は逆に軽く土をかぶせて、湿度をあげて肥料が溶け出しやすくしてやると効きやすくなります。
多肉・サボテンには夏型や冬型のような生育期が違うものがあるので、この施肥方法を活用して肥料を有効活用しましょう(*´ω`*)
まとめ
いかがでしたか?肥料についての考え方が少しは変わりましたか?
うまく育てる為には栄養的な問題は避けては通れません。かといって何度もいいますが、肥料は与えれば与えるほど良いというものではありません。自己責任で様子を見ながら与えるようにしましょう。
今回のお話が少しでも皆さんの役に立てば嬉しいです(*´ω`*)
このへんで
でわ(*´ω`*)