【今さら聞けない】多肉植物の水やり方法5選【基本+応用編】
どうも Taniku Monster です(*´ω`*)
園芸の世界には「水やり三年」という言葉があるように植物にとっての良い水やりは難しいものです。
水が足りなくてカリカリになってしまったり、与え過ぎで根腐れさせたり、徒長させたりしていませんか?
感覚で水やりをして失敗しないようになるには、経験が必要です。
それでもノウハウの部分は知識として、今日から取り入れて実行することが出来ると思います。
なので今回は【水やりのやり方】をいくつかお話します。
最後までお付き合いください(*´ω`*)
水やりの固定概念
「水やりはあげるときはしっかりと土の不純物を洗い流すように、鉢底から流れ出るほどに…あげないときは全くあげないメリハリが大切」と誰かに習って、そんなもんなんだなと思っていました。
しかし…
本質は植物に必要な水分が届くことです。
毎回ベチョベチョにする必要は必ずしもないので、根がある部分にピンポイントで与えて根腐れのリスクが無い方が良いとも言えます。
そして水やりという作業は、ただ水分を多肉に与えるだけではなく様々な効果があります。
- ホコリやダニを洗い流す
- カビや細菌の発生を抑制する
- 鉢の中のガスを出す
- 鉢に酸素を送る
- 虫の発生を抑える
- 鉢の温度を下げる
割と最近まで、ただ水をあげればいいと思っていましたが、こういう事を意識しながら水やりをすると多肉の育生がかなりよくなりました(*´ω`*)
鉢内温度の心配
クイックサーモを使用して鉢内の温度を観測してみました。
鉢の中の水分が多い状況で日当たりの良い場所に放置しておくと根腐れの原因になる。という話があるので気になったので検証してみました(*´ω`*)
10月の日中平均気温は23度前後で、日差しもまだ暖かいです。
夕方にあげて翌日の気温が高い時間帯(12時〜13時)に土の中の温度を計測しましたが、外気とさほど違いはなく、蒸れによる根腐れも大丈夫そうでした。
もちろん真夏の炎天下では鉢内の水がお湯になるので、遮光して鉢に直射日光が当たらず、風通しの良い環境を作ってあげましょう。
つまり、真夏や真冬の水やりで、熱湯になったり凍結したりを除けばさほど心配はないでしょう。
潅水(かんすい)
灌水と聞くとなんだか堅苦しいですが、普通の水やりですね(*・ω・)ジョーロやホースから与える方法です。
上からジャバジャバとやって、下からダバダバと水が流れ出て行く…
このやり方が「植物の水やり」の大多数の方のイメージじゃないかと思います(゚ω゚)←私もですw
このやり方のデメリットはいくつかあります。
- 粉物多肉には使えない
- 与えすぎで根腐れのリスク
- 与えすぎで途長のリスク
- 成長点に溜まった水で日焼けしてしまう
この方法で水やりをした場合にはブロワーと呼ばれる風を送る物を使用したり、ストローで吹いたりして、成長点や葉の間に溜まった水を吹き飛ばしてあげる必要があります。
水滴が残るとレンズの役割を果たしてしまい、日差しで焼けてしまいます。虫眼鏡で友達の後頭部にやけどをさせる遊びと同じです(*´ω`*)ww
灌水の強弱
灌水する時に、必ず下から出るほどやる決まりはありません。
根が浅いものや、成長期ではなく、そんなに水を必要としていない株の場合はサッと湿らす程度でも大丈夫です。
水やりが足りなくて、ちょっと張りがなくなったかな?くらいだったら様子を見て後日与えます。
与えなくても良い状態に過剰に与えて、根腐れして致命傷を負うのは避けましょう(゚Д゚;)
ワンポイント
水分は潅水しても土の粒の間を通って、すぐに底から抜けることがあります。土の粒がさほど水分を吸収していないことがあるので気をつけましょう。
こういう点があるので、他にもやり方を試したり、その多肉の種類や時期・天候などによってやり方を変えてみるのが良いと思います(゚ω゚)
水差し利用法
水差しを利用する方法ですが、「水を差す」という言葉の通り、ピンポイントの場所に水を与える事が出来る方法です。
100均などにある水差しを利用すれば、植物の根元に必要な量だけ与えられて根腐れリスクも減らせます。
トリコーム(粉)が取れてしまうタイプの多肉植物(ディッキアの一部やダドレアなど)に水を与える場合・また鉢を覆うように生えていて土を濡らすのが困難な場合にも水やりが出来ます。
↑↑両方おさえた欲張りタイプ
一つ一つあげるのは効率悪いですが、多肉の変化を観察しながら細かな管理が出来るのが良い点です(゚ω゚)
また、どれだけの量が土に入ったかが分かるので、与えすぎも防げます。
葉水(はみず)
葉水とは霧吹きなどで、多肉の葉の部分に潤いを与えてあげる水やりです。
根腐れが心配で水やりは少し控えたいけど、なんとなく元気が無い時に使用します。葉数が多い多肉には特にオススメです。葉の表面からも多少は水分を取り込めるので、梅雨時期など根を腐らせたくない時に有効です。
他にも葉の表面についたハダニなどの繁殖しにくい環境を作るのにも有効です。
霧吹き
霧吹きは100均などでも手軽に入手できます。最近では、空気を圧縮して圧力で霧を噴霧する加圧式霧吹きもDAISOで手に入れることができます。
長時間使用していると手が痛くなるので、電動式の霧吹きなどもオススメです。2000円〜なのでちょっとお高め。
底面給水方式
受け皿に水が貯められるようにして、そこに鉢底をつけて水分を浸透させて給水する方法です。
この方式が有効なのは
- 上からの給水が困難なほど株が大きい場合
- 葉が濡れることが適さない粉系の多肉
- しっかり給水が必要な多肉が多い場合
に有効です。
休眠期や湿度の多い時期には使いづらい方法ですが、成長期や気温・湿度が安定した時期には有効です。
特にアロエなどは春や秋にこの方法で水やりしています。3号ポットをパレットやプラケース(網状になったもの)の上に並べて、大きめの水を張ったバットにドボンします。
さっと30秒ほどで水から引き上げても良いですし、虫駆除のために数時間から一晩つけたままで放置したりと、そのときの状況や目的によって時間の長さは使い分けます。
お風呂の浴槽でやると一気にできます(笑)←家族に理解してもらってからにしましょう(*´ω`*)
※使用している用土は保水性がそこまで無い、軽めの用土を使用しています。
・胴切りしたばかりの株や、活動が盛んでない株の場合は水の吸収能力が追いつかず根腐れをしてしまう可能性があるのでオススメできません。
・また室内管理で日照不足や、風通しが確保できない環境では徒長(間延びして育ってしまう)が加速するので、こちらもオススメできません。
腰水管理
腰水とは上のやり方を長期において継続して管理する方法です。水は数日に一回入れ替えたりするけど、つけたままにしておく事です。どれくらい継続するか具体的には数日から数ヶ月の期間です。
特に実生(種から管理)している物は乾燥に弱く、発芽から水につけた状態で管理します。
ちょうど床下浸水させて水耕栽培をしているイメージです(*´ω`*)
2ヶ月ほど水没させていますが、3〜4日に一度くらい水の中の酸素を入れ替える目的で水を替えています。根も呼吸しているので酸欠にならないようにするためです。
水中の酸素濃度が低下すると、水中の根にも酸素が届かなくなったり、水も腐りやすくなるなどのデメリットがあります。なのでこまめに水を換えるのが良いです。
水が腐るのを防ぐためにゼオライトやソフトシリカなどを土に混ぜ込んだり、水を張った容器に投入すると、水質悪化を防いでくれて管理が楽です。
ソフトシリカについては後述します(*´ω`*)
これを大きめのアロエ ポリフェラでもやってみました。
フォロワーさんにアドバイスして頂き試してみたら、夏のダメージも回復し根がどんどん伸びて植え替えするほどになりました(*´ω`*)
使用しなくなった洗面器を活用して、念の為空気を取り込みやすいスリット鉢を使用しています。
1ヶ月ほどこの状態ですが、徒長することもなく元気に成長を続けています。
水やり活用アイテム
水やりに活用出来るアイテムを2つ紹介します。
サスティ
pF値(有効水分域)を家庭用水分計では世界で初めて採用した商品で、
植物の空腹度「根が水を吸う力」を可視化しているそうです。
根腐れや水枯れなど、水やりの失敗を防ぎます。
この技術で特許も得ているそうです。鉢の中がどのような状況になっているのか見えないので大きな指標になるアイテムですね。土の表面は乾燥しているのに中は濡れていたり、マルチングで表面を覆っていると土の状況が見えないので、この商品のように可視化してくれるのは嬉しいことです。
同じ土、同じ種類、同じ鉢の大きさで集めた一角に一本さしておけば、そのブロックの水やりタイミングを見極めることができます(*´ω`*)
全部に指すとコストがかかりすぎますw
ミリオン
水の活性・浄化作用
珪酸塩白土を水に入れると、イオン交換作用で水質を向上し、活性化することで腐りづらくなります。交換時に放出されたミネラルを含んだミネラルウォーターは、飲み水にしてももちろん良いですし、水栽培やハイドロカルチャーに使うと必要な水の交換回数を減らせます。
つまり土の中の水分を腐りにくくしてくれる作用が期待できます。
腰水管理だけではなく、通常の水やりを行う土にも混ぜて使用するのがオススメです。
固定されたリン酸がよみがえる
リン酸は土壌中で活性アルミナと結合してしまうと固定されてしまい、植物の根が吸収できなくなってしまいます。珪酸塩白土を入れることでこの固定は分解され、リン酸を再び吸収できる状態になります。発根を促進する効果との相乗作用で、リン酸の吸収率が高まります。
まとめ
今回は水やりの方法について紹介してきました。
もちろん紹介した方法は、全ての多肉植物に使用できる方法ではありません。
ですが、選択肢が多い程可能性が増えるのも多肉育成の楽しみだと思います。どうか皆さんの多肉育成のお役にたてたらと思います(゚ω゚)
今回は実生エンセさんに水やりのアドバイスをして頂きました。この場をお借りして感謝を申し上げます(*・ω・)
珍しい多肉植物についてツイートされていますのでご覧下さい(゚ω゚)↓↓
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